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遍路の心得、準備

  1. 歩きの計画を立てる
  2. 遍路の心得・戒め
  3. 身支度とミニ知識


1.歩きの計画を立てる
   早く回ることが目的ではない。無理せず、臨機応変に対応できる余裕のある
   計画を立てよう。

 初めてなので順打ちで回ることにして、『四国遍路ひとり歩き同行二人』(へんろみち保存協力会編)と、四国八十八カ所お遍路風景(JTB発行)を参考にして、札所と札所の間の距離と時間を参考にして、夕方16〜17時には宿泊先に着くように計画を立てた。宿泊先は宿坊、民宿、旅館選ばす。

 シーズンは春と秋がベストと何を見ても書いてあるが、込み合う時期なのでそれをはずして計画する(ただし、接待所は開かれていないと考えられる)。

 通し打ちだと約40日と言われるので、家業のこともあり連続して40日も家を空けられないので、全長1150kmを4回に分けると1回約300kmで1日40Km歩くとして8日間という計算になる。

 歩く上での注意点
1、靴にはお金をかけよう。
2、早く立ち、早く宿へ入るを心がけよう。
3、マメはあらかじめ予防しよう。またマメが出来たら直ぐに手入れを。
4、毎日歩き出しの最初はゆっくりと
5、休憩を決めてとろう。
5、のぼりはゆっくりと。
6、下りには靴紐をしめなしつま先を守る。
7、水分は少量ずつとる。(のどを潤わす程度)がぶ飲みは禁物。
8、宿に着いたら体のリハビリをしよう。
9、歩き始めて2〜4日目が疲労のピーク、後はだんだんなれて来る。

2.遍路の作法・心得・戒め
 A,霊場での作法

 巡拝作法
1、山門で本堂に向かって一礼。帰りも同じ。
2、水屋で口をすすぎ、手を洗う。その後輪袈裟を首に掛け、数珠を手にする
3、鐘楼で鐘をつく。お断りがあるところではつかない。参拝後は戻り鐘といって縁起が悪いのでつかない。
4、本堂で納札箱に納札や写経を納める。灯明、線香をあげ、お賽銭を納め合掌し、読経。(ローソクは上段(奥)から、線香は中央から立てる。白衣の袖に火が着かないように心配り。読経は経本を手に持って読むこと。他の参詣者の邪魔にならないように正面でなく左右どちらかへ寄って。)
5、大師堂でも本堂と同様に参拝する。その他の堂があれば同じように参拝。
6、納経所で納経帳などに朱印をいただく。
7、総門や境内を出る時に、本堂に向かい一礼し退去すること。
 読経の順序
まず始めに持鈴--二音
 合掌礼拝----合掌、三礼しながら「うやうやしくみ仏を拝礼したてまつる」と唱える。
持鈴--一音
◆開経偈---一反唱える(「尊い仏の法をお唱えする機会に恵まれました」という意味)
持鈴--一音
、般若心経----一反唱える。「悟りの岸に到る肝心要の教え」
持鈴--一音
ぁ△緩楝鎖晋----各札所のご本尊の真言を三反唱える(本堂のみで)
持鈴--一音
ァ光明真言----真言宗の大事な仏の大日如来の真言を三反唱える。
持鈴--一音
Α弘法大師御宝号----弘法大師の名前である「南無大師遍照金剛」を三反唱える。
持鈴--一音
А回向文----一反唱える。(仏道を成就することを願う)
持鈴--二音
─◆屬△蠅とうございます」とのべ、合掌一礼。

 B,遍路の心得

 四国へんろの三信条
1、摂取不捨のご誓願(悩めるもの、苦しむもの、最後の一人まで救いつくす)を信じて同行二人(お大師様と寝食を共にする思い)の信仰に励む。
2、何事も修行である。愚痴、妄語を慎む。(困ったこと、苦しいことはこれがお試しの修行と心得る)宿の贅沢はもってのほかである。
3、現世の利益(いかなる人もこの世で救われる)を信じて、八十八使の煩悩(迷いの世界を転じて悟りの世界に入る功徳を積む)を消滅しよう。
 十善戒
身と口と意のはたらきを正しく生きていくことを心に誓い実践して行くこと。
1、殺生しない
2、盗みをしない
3、邪淫はしない
4、嘘をつかない
5、お世辞をいわない
6、悪口をいわない
7、二枚舌を使わない
8、欲張らない
9、怒らない
10、誤った考えをおこさない
 無財七施の修行(金がなくても、誰でも毎日実行できる仏さまの行い。施とは布施、施しである)
 ∨室忙--自分の家を一夜の宿に貸すこと
◆∇座施--進路や順番を譲ること、良い場所は他人に譲り、自分は悪いとこで我慢する。
、身施--身体による奉仕、手助け。
ぁ∀卒蟷--笑顔を絶やさない
ァ言施--温かい思いやりのある言葉をかける
Α眼施--優しい眼差しをかける
А⊃柑--思いやりの心
 読経し、戒を守り、接待やご利益を願う受け身の行動では修行にならない。
やさしい言葉と笑顔は功徳の芽。いくら苦行しても無愛想では独善。
困っている人を見かけたら、積極的に手助けしよう。足元のゴミを拾うのも身施。「笑顔で挨拶」は和願施、言施。
巡拝の回数を自慢する前に、どれだけ「布施」してきたかを反省しよう。

 B,遍路のマナー、戒め

1、他人に迷惑をかけない
2、特権は何もない
3、へんろは皆平等。俗世のことは忘れて。宿は相部屋原則、先着順。
4、積極的に地元の人にも声をかける。
5、接待は気持ちよく受けること「納め札」をお礼にさしだすこと。これが案外出来ない。
6、遍路仲間とすれ違う時には挨拶を。
7、用便施設の借用は、礼をつくして。きれいに始末することを心がける。
8、道は早めに尋ねる。地元の人の情けにすがりながら巡るのが遍路。間違ったと思ったらためらわず、元の所まで戻るのが原則。
9、視線は前方を見て、標識や道しるべを見落とさないように。考え事は視線が足元に落ちがち。分岐点では立ち止まり確かめるくせをつけよう。
10、宝号を唱えながら歩くと、お大師様のお力が授かり楽に歩けるように思います。(金剛杖は歩くのを手助けしてくれる)
11、自然の中に身をまかせる。
12、荷物はできるだけ軽く。
13、弁当などを食べるときには、餓死、憤死した諸霊を供養してから箸をとること。(顔面の高さまで捧げ一礼し、「どうぞおあがりください」と草むらに投げる)

3.身支度とミニ知識

  • 白衣、白装束でなくても下は普段のズボンでもよい。白衣を着ると気分がひきしまる。また目立つので安全にもよい。
  • 経本--四国霊場用、読経のときには見ながら読むこと。(空では読まない)。
  • 輪袈裟(ワゲサ)霊場礼拝の正装具。(手洗い等不浄の処に入る際にはとり外すこと)
  • 数珠--案内では「真言宗用」を使えと書いてあるが、自分の宗派用でかまわない。
  • 金剛杖--俗にお導き下さる「弘法大師」の化身。四国遍路に欠かせない。杖本体は卒塔婆を表している、上部には覆う帽子がついている。軽く後に突くだけで前進力が加わり歩きやすい。
    使用上の注意点
    1、杖より先に自分を休めるな(何事も杖を休めてから、宿ではまず、心を洗う気持ちで杖の足元を洗う)
    2、杖は部屋の一番上座へ立てかける。
    3、出立ちには、合掌してお導きをお願いする。
    4、先端がささくれだって来たら、早めにコンクリートなどの路面に摺って除く。
    5、橋の上では突かない。持ち上げて通り過ぎる。(理由は別途)
    6、他人の杖は拾わない。忘れた人の「業」を拾って歩くことになる。世間でいう「櫛」と同じ。
    7、結願後奉納する例もあるが、自宅で保管し「極楽浄土への身支度」にすると良い。
  • 菅笠--広くて深い笠は日よけ、雨具にもなるので是非揃えたい。1番札所で買い求めるとアゴ紐はつけていただける。また、帽子とちがい靴を脱ぐところ以外は被ったままでよい。
  • 納経帳--参詣の証として御朱印をもらうための帳面。(判衣、軸も必要と思うなら)読経を終えてから頂くのが正しい順序。
    宝印代として1ヶ寺につき、納経帳300円、白衣200円、お軸500円の費用がかかる
  • 納め札--納札箱に納める。(住所、氏名、日付、年齢、願い事等を書くこと)名刺がわりに交換する。ご接待を受けたら差し出すこと。巡礼の回数によつて6種類の色がある。1回〜白札、5回〜緑札、8回〜赤札、25回〜銀札、50回〜金札、100回〜錦札。ただし色については諸説あり。
  • 持鈴--読経するときに振る。読経前に-2音、個々の経文・真言の後に-1音、最後の経文終了時に-2音、口上後-1音。歩行中は頭陀袋に入れて音をさせない。
  • 線香・ローソク--持参するのは必要最低限の量で。無くなったら現地で買い求めるのが良い。
  • 頭陀袋(ズタブクロ)--巡礼用品を入れる。
  • お賽銭--これも最低限用意し、無くなったら両替する。(量が多いので結構な重量になる)
  • 保険証の写し
  • 靴--軽登山靴がベストというが、私はウォーキング用のMoonStarのEveが軽くて歩きやすいので履いている。登山靴タイプなら足首まで覆うゴアテックス製のTrekStaの軽量タイプがいいだろう。
  • 靴下--5本指が良いといわれているが、私は厚手の登山用と薄手のインナーソックスを重ね履きしている。インナーソックスのみ毎日交換し、洗濯する。替えが少なくて済む。
  • リュック(雨天の時のためカバーが必要)--頭陀袋も収納できる大きさを求めること。札所間は手ぶらで金剛杖のみ持つように。
  • ウェストバック--現金、筆記具など小物要れとして重宝する。必需品である。少し大きめを。
  • 雨具--傘は持つなら折りたたみの軽いものを。マント式の雨コートがベスト。背中のリックの上から掛けれるように大きいものを買い求めること。ゴルフ用などは着ていないときに重くて辛い。ズボンは不要。
  • 下着の着替え--速乾の物を高くても買い求めること。毎日洗濯すれば、洗濯中の換えとしてもう1枚あれば充分。ブリーフ、ショーツも同じ。背中の荷物の容積と重さはここで減らそう。
  • 懐中電灯--ペンシル型が良いが、MAGLITE重いのでダメ、プラスチックの安物で充分。
  • ドライヤー--肌着など洗濯脱水した後、乾かないときにこれで乾かす。雨で濡れた靴も。
  • テーピング用テープ--できればソニー等のスポーツ用のものを。薬局にもあるが性能がいまいち劣る。
  • 軍手--手のケガ防止に。
  • 水筒--重いので現地でペットボトル入りを買い求める。
  • コンパス--これも軽いプラスチック製で充分。
  • 応急薬品--自分に必要と思われるものを集めること。
  • ガイドブック--へんろ地図等。
  • 洗面具--タオルは2枚。ハミガキセットはほとんど現在では不要。(宿に用意されている)ティッシュペーパー。
  • 蚊取り線香--夏は必需品
  • 持っていると便利な品--糸と針、タコ糸、細引き紐、カッター、布粘着テープ、マッチ、ゴミ袋、小さなビニール袋、
  • 費用は宿泊(宿坊、遍路宿、民宿、ビジネスホテル等)代(1泊2食)と昼食、おやつ代、それに納経帳等の宝印代を合わせて1日1万円と考える。
  • 携帯電話--俗世との関わりを捨てるために使わないようにとあるが、突発的な事故を考えるとあると便利。目覚まし時計の代わりにもなる。
  • デジカメ--記録に残すため持参した。軽くてかさ張らず便利。記録用のメディアは充分な量を持参すること。なかなか探しても売っている店を探しにくい。


 参考---ひとり歩き同行二人「へんろみち保存協力会編」

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